春の定番、セマナサンタってなに?

時間が経つのは早いものです。バタバタしていたらもう4月も後半😓

毎年 Semana Santa セマナ・サンタが春にありますが、セマナ・サンタとは「聖週間」です。

 この週は信仰者の行列のため、セビージャの街中が人混みでごった返しになります。

今年は4月13日から始まりました。


ポケットにもはいるくらいの小さい無料のスケジュール表。毎日何時にどこをどのパソが通るかがわかって、便利✨ 通常いろいろなバルに置いてあります。

太陰暦に沿っているので、毎年日付が変わります。

キリスト教にもいろいろありますが、こちらはカトリックのイベント。

さすがスペイン。

人口の70-80%近くがカトリック。

ただ、みんながみんな信仰深く、いつも教会に行くわけではありません。

でもセマナ・サンタは信仰のレベルに関係なく、イベント感覚で盛り上がるのです。


Domingo de Ramos, 正式な初日、最初の日曜日にすぐそばの La Hiniesta がうちの下を通ります。うちにいるときは Balcon バルコン(バルコニー)や Azotea アソテア (屋上)から見れてラッキー✌️ La Virgen ヴィルヘン 聖母像の前をブラスバンドが、後を信仰者や関係者が歩いていきます。

マリードくん
ちなみに「クルト」の人は Jesus Cristo へスース・クリスト(イエス・キリスト)の人物像などを信じていないから、セマナ・サンタが好きじゃない人が多いんだよ。
わたくし
そうだってね… ヒターノもクルトの人多いよね。でもカトリックもいっぱいいるし… 歴史の面から考えると、ちょー複雑!😓😱
マリードくん
Mi “pare” (お父さん)は宗教気にしてないから、うちはどっちもカンケーないさ〜🫠 でも小さい時からセマナサンタ大好き✨ Los Gitanos のパソを見に、お父さんが いつも連れて行ってくれてたからね❤️

毎年、60もの Hermandad エルマンダー(ド) 信徒団体 (ブラザーフッド)が参加して大聖堂への道をPasos パソをかついで進む様子は何度見ても感動です。

かついで行くから、コンセプトは日本のお神輿と似てます!

でも、「わっしょい!」じゃなくて、パソと一緒に進んでいくバンドが奏でるドラムの音やトランペットが印象的。

パソってなあに?

パソは Jesus Cristo へスース・クリスト(イエス・キリスト)を乗せたお神輿のような舞台。

その前を Nazarenos ナサレノが歩き、その後を Penitentes ペニテンテ が歩きます。

ナサレノは各信仰団体にたずさわる信者たち。


パソが通れるように道路がところどころ通行止めになります。バルコンがある人は人混みに揉まれることなくパソを眺めることができます。多くのバルコンがワインレッドの布やPalmera パルメラ(椰子の木の葉を乾かして、作られた飾り)で飾られ、素敵✨

うちの家族は宗教的ではないけど、マリードくんのいとこや親戚もたまに出ます。

わたくし
衣装など結構なお金がかかるし、何時間も歩くのは大変だから毎年はしないよね?

マリードくん
そうだね。もちろん、セマナサンタの聖体行列に参加するのが毎年恒例になっているおうちの人もいるけどね。

 

Las Setas セタスの横をとおるパソ。不思議な光景😆

へスース・クリスト(イエス・キリスト)を乗せた舞台は聖書に沿ってそれぞれ、彼が処刑判定をくだされる前からその後、生き返ってきたといわれる一週間を描いたもの。

「最後の晩餐」や へスース・クリストが十字架を運ぶ姿など、キリスト教に全く関係ない人でも知っているシーンがあり、一つ一つ違います。

大きなテーブルのような舞台に金や銀でひかり輝く装飾がされ、豪華な生花も負けずと色を放ち、なんともゴージャス。

セマナサンタにパソはスペイン各地で行われるけど、セビージャのは格が違います。

金金ギラギラ〜 この下には汗だくでこの舞台を担いで歩いく Costaleros コスタレーロ さんたちがいます。ちなみにこれはMontensión の パソ。マリードくんのお父さんの生まれた家がすぐ裏にある教会。

たくましいコスタレーロ達がこの大きなテーブルのような舞台の下に入って、汗だくになりながら何時間もかついで行く姿は、外からは見えませんけど想像できます。

長時間のパソなのでコスタレーロのグループ交替あり。

舞台の下から出てくる彼らの首と肩は真っ赤で痛々しい〜

でもみんな表情はイキイキと満足感で満ちています。

新しく舞台の中に潜る男たちも気合満々。

このために一年中練習するし、みんな子供の時からコスタレーロになることを夢見てきた人たちが多いので、自分のお役を誇りに思っているのです。


パソとパソの間はもちろん… Cerveza! セルベッサ〜 ちょっと Casa Coronado で一呼吸。フアナ・アマヤさんのスタジオの近くのこのバルも冷たいセルベッサで有名で地元の人に大人気。コスタレーロさん達もガブガブ飲んでます😆

 結局 パソは、聖行進です。

でも、ただ進むだけではないのがセビージャのパソのすごいとこ。

バンドの音楽に合わせて舞台が横に小刻みに動くとか前にガーっと進むとか、振り付けみたいなことをするパソも多いのです。

音楽とピッタリあって、舞台をまるで生のシーンように見せる動きや、細ーい道の直角カーブを曲がったり、坂をぐんぐん上がったり、巧みな動きをするので観衆の皆から拍手や「ole!が出ることもよくあります。

もちろん、バンドもなく静かに重々しく進むパソもありますが…


このおじさんは Saetero サエテロ。パソが止まった時に Saeta サエタ を歌いにきました。プロでお金をもらって歌う人もいれば、信仰心の強い人で歌いたくなって歌う人もいるようです。

行進の全体を支持するのが Capataz カパタースというエルマンダーのリーダー。

ビシッと決めたスーツでパソのすぐ前を歩き、みんなに支持していきます。

カパタースはみんなに慕われ、尊敬されています!

そこで、彼らも責任と信仰心と同時に自分の役柄を誇りに思っているのです。


Los Negritos から出るマリアさまの Manto マントは素敵なんだよ〜✨」 Casa Coronado で 「僕はセマナサンタ興味ないけど〜」といっていたおじさんが教えてくました。偶然にもセルベッサを飲んだすぐ後に遭遇したパソ。

各パソのへスース・クリストの舞台の後には Palio パリオと言って、聖母像の舞台が続きます。

その表情は悲しみを表していて、頬に流れる涙が見かけられます

聖母マリアの像ですが、エルマンダーによって顔が違い、二ックネームで呼ばれています。

「私はマカレナのファンよー」とか「エストレージャが一番グアッパよ」などはよく耳にする会話。

わたくし
Guapa グアッパ は綺麗な美女という意味 🤩


ゆらゆらと揺れるキャノピーが特徴の聖母マリアのパソ。見どころは何本もの蝋燭と綺麗に飾られたは花。そしてもちろんCorona 冠むりと Manto マント ケープと顔の表情。

カルメン
San Gonzalo サンゴンサロ教会のヴィルヘンが一番グアッパだし大好きよ〜🩷

とマリードくんのお母さん。

実は彼女は小さい時そこで洗礼されたので、もちろんひいきありあり👀😂

San Gonzalo のパソを待つ間のバルからの風景。このすぐ後に雨がザーザー降ってきました〜 マリードくんと私は危機一髪! 道の真ん中を通るナサレノのとんがりコーンも濡れて可哀想でした… パソはもっと大きくて高いのでバルからでも余裕で見えます。

なんてったって、ナサレノの数はすごい😵

ヴィルヘンの前もたくさんのナサレノが歩くので全体のパソはとても長いです。

わたくし
サンゴンサロ教会のナサレノは人数が半端じゃないね〜3500人だって!

マリードくん
マカレナ教会は4300人!Tomayaaaaaa! すげ〜!

メインの2つの舞台が登場するまで気を長くして待つのが当たり前となっています。

Nazarenos? ナサレノって?

実はNazarenos ナサレノの姿はアメリカ人や歴史に興味ある人にはショック!

特にわたしのように南部にずっと住んでた人はビックリする光景です。

何がショックかというと、その衣装…

特徴はまず、長くて先のとんがったコーンのような被り物 Capirote カピロテ

そして目のところに穴がある顔を覆う布、地面を引きずるよほど長い Tunica トゥニカ

ガーン😨

見る限りアメリカのクー・クラックス・クラン、 KKK!😱🤯

もちろんのこと、特に黒人のお友達にとってはすっごく抵抗ありです😡

ただ、KKKのように白だけでなく、紫や緑や黒などの色のナサレノ衣装も多いのです。

もちろん関係はぜんぜんないので、慣れるとほっとして胸を撫でる感じ。

ナサレノとして歩く子供もたくさんいます。


ナサレノ達は杖のように長い vela ヴェラ 蝋燭を持って歩くので、パソを見に行く子供たちは待ちながら cera セラ ワックスを垂らしてもらい、蝋燭ボールを作っていくのを楽しみにしています。

へスース・クリストのパソの後を歩く Penitente ペニテンテ は基本ナサレノと同じ衣装ですが、カピロテをつけないので頭のとこがぺちゃんとしています。

彼らは後悔がある人やお許しが欲しい人たち。

ほとんどの人が裸足で、十字架をかついで歩きます。

信仰心を伝えるためとか、何かの祈りが届くようにとのことです。

でも、裸足で何時間も歩くのはすごい決心 😱

Jueves Santo フエベス・サント 聖木曜日、信仰心の強い女性たちは mantillas マンティージャスというレースの頭飾りをつけて全身黒い喪服で過ごします。(Luto ルート 喪中 でもピザは食べるんですね😁)

クー・クラックス・クランは19世紀後半に始まったときは、いま一般的によく知られている形とは違ったそう。でも20世紀前半から政治情勢や白人優越主義が交わりながら、人種や宗教差別に基づいて暴力や殺人行為を犯す、南部の過激グループになりました。真っ白のナサレノのような衣装をまとい、カルトのように集まって殺害や暴力、威嚇などを計画し実行。ある時はメンバーも数多くなり、実犯でなくてもメンバー皆が暗黙の了解で見て見ぬ振りをし、黒人拷問や殺害で何年にもわたって人々を脅かしました。黒人だけでなく、ユダヤ人や私たちも含む有色人種、白人でもKKKの教義に反すればターゲットにされていたのです。映画などでもいまだによくとりあげられます。実は、小さいけどまだ根強く残ってるそうなので怖いです!でも、セマナサンタとは関係ないのでご安心を〜🙏🏻

各パソは各教会から出て大聖堂を訪れ、また教会への帰路に向かいます。

セントロから大聖堂への道はCarrera Oficial カレラ・オフィシアルといい、La Campana から始まり、大聖堂まで続きます。

 ズラーっと木の椅子が並べられ、その椅子に座る権利のある人だけが入れます。
わたくし
前は スイーツの専門店ラ・カンパーナに潜り込んでパソを見ることができたけど?
マリードくん
今はどうだろう?来年また探ってみよう!

椅子を持つのにすごいお金がかかるらしいし、家族から家族へと引き渡されているそう。

わたくし
パソやナサレノが丸ごと巨大な大聖堂に入るとこはテレビでしか見たことがないなぁ。

雨が降るとパソは教会から出れないので、みんないつもお天気になることを祈っています。

今年は雨がチラチラ降ったけど、ほとんどお天気だったのでたくさんのパソが大聖堂までたどり着けました!

街の雰囲気は?

お祭り✨

Churreria チュレリア チューロ屋や わたあめの屋台も出ます。 日本の縁日みたい?✨


セビージャの La Alameda de Hercules アラメダ・デ・エルクレス この日のお天気はサイコー ここを通るパソはそんなにないけど、ゆったりとパソが見えます〜

パソとパソの間に人混みを潜り抜けてバルに入りセルベサ!待ちながらモンタイート!と一日中街中がワイワイガヤガヤ。

 カジュアルに普段着の人も多いのですが、これまたまたセビージャ。

スーツやドレス姿でみんなオシャレしていきます。


セマナサンタは忍耐勝負😅 後、途中の栄養補給も大事です✨ でもこのハモン30ユーロ😱 バルの中から飲み食いしながらパソが見れる El Cairo は場所はいいけどお高い〜 

セビージャのところどころでうねる人の波。

何分も、時には何時間も待って溜まっていく熱気。


Cruz de Guia クルーズ・デ・ギア はへスース・クリストの舞台のすぐ前を歩くグループ。ナサレノとは衣装が違います。Incenso インセンソ 線香も運んでいるので、その煙と匂い が皆の緊張感とまじりあい、厳粛な雰囲気が生まれます。

でもへスース・クリストの舞台が通る時はみんな静かになります。

インセンソの煙と匂いに包まれてドラムの音がお腹に響き、トランペットで胸がいっぱいになる。

信仰者でなくても感動する瞬間です。

またも栄養補給 😂 トリアナ橋にある MariaTrifluca からも橋を渡るパソがいくつかの見れます。アソテア席もあるので上手く予約したら上からパソが見れるかも?!ようお試しを〜

ヴィルヘンにはバルコニーから花びらを投げる人もいます。

これも素敵な一瞬です。

ドミンゴ・デ・ラモスから始まり、次の日曜でおしまい。

一週間後はみんな疲れはて、最終日の「復活の日」は街中が結構静か〜。

うちのすぐそばから出るパソ、Santa Marina 教会の La Resurrección 復活 が唯一のパソですが人も少なく、いつもとても重々しい感じ。

この日はみんなも次の日の仕事や学校のために「復活」しなきゃいけないので、お家にいるというパターンです。

私たちもソファーでNetflix見ながらリカバリーモードでした〜

また来年がんばろー😂

 

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